第20回のSKIMレクチャーを以下の要領で開催します.
第20回 2026年 3月15日(日):13:00〜14:00
上野健爾氏
「ガロアの最後の手紙--シュヴァリエ宛の手紙--」を読む
講演はZoomを用いて行います。受講料無料でどなたでも参加出来ますが、事前登録が必要です。
募集人員は 150名(先着順)です。
参加をご希望の方は以下から登録ください。
申込締切:2026年 3月13日(金)
SKIMレクチャーズ第20回申込ページ(Google Form)
皆様のご参加をお待ちしております。
概要:
ガロアが決闘の前日1832年5月29日に記したシュヴァリエ宛の手紙について話します。この手紙にはガロアが得た数学上の結果と夢が記されていますが、それは時代を超えた驚くべき内容となっています。話をする時間が限られていますので、手紙の中からこれまで余り議論されることがなかったモジュラー方程式や代数函数論に焦点をあて、高木貞治の訳で有名となった「曖昧の理論」についても触れたいと思います。
限られた時間に慌ただしく書かれたガロアの手紙は定義がきちんと書かれていない部分が多く、判読するのが難しい文章がたくさん出てきます。後代の数学者もこの手紙をさまざまに解釈して自分の数学に生かして来ました。そうした歴史も考えながら、この手紙を読んでみたいと思います。
手紙を受け取ったシュヴァリエは長年にわたりガロアの遺作を出版するために奔走しました。1846年にリューヴィルによってガロアの著作と遺作の多くが出版されましたが、その裏にはシュバリエ達の努力があったことはあまり知られていません。
また、ガロアに数学の才能を目覚めさせたリセ ルイ・ル・グラン校の数学教師であったリシャールは19世紀のフランスの代表的な数学者であるエルミートやジョルダンのリセ時代の先生でもありました。リシャールを通してガロアの数学の重要性はエルミートやジョルダンに伝えられています。こうした歴史的な背景も考えながらガロアの手紙を読んでみたいと考えています。なお、講義は拙著「方程式を解く ガロアによるガロア理論」現代数学社 に載せた日本語訳に基づいて行います。