研究所ニュース

研究所としての活動をお知らせします

3.14数学文化シンポジウム

3.14数学文化シンポジウム

3.14数学文化シンポジウムを以下の通り開催します.

今回は森本徹先生,佐藤賢一先生,小林龍彦先生による三つの講演を用意しました.

日時:3月14日(土)13時〜17時
場所:じばさん三重

プログラム:
13時05分〜14時00分
 森本徹(同志社大学先端複合材料研究センター)
クリフォード・菊池大麓・岡潔を結ぶ線」
14時10分〜15時05分
 佐藤賢一(電気通信大学,関孝和数学研究所客員研究員)
「津波被害文化財の修復について」
15時15分〜16時10分
 小林龍彦(関孝和数学研究所研究員)
「算額を世界遺産に!」
16時10分〜16時40分
 懇談

森本徹先生(https://kaken.nii.ac.jp/d/r/80025460.ja.html)の専門は数学,特に幾何学です.今回はクリフォード(1845-1879)・菊池大麓(1855-1917)・岡潔(1901-1978)が出会う不思議な線について話をします.19世紀イギリスの卓越した幾何学者であったクリフォードは「The Common Sense of the Exact Sciences」(1886)を著します.これを菊池大麓が『数理釈義』(1888年)としていち早く日本に翻訳紹介します.世界的な数学者岡潔は若い日『数理釈義』に触れその中に書かれているクリフォードの定理の不思議に打たれ数学に惹き込まれて行ったと言われています.人の出会いの不思議を思いながら,クリフードの定理の不思議の謎解きを試み,その背後にある幾何の流れについても少し話をします.

佐藤賢一先生(https://kaken.nii.ac.jp/d/r/90323873.ja.html)は東アジア数理科学史が専門で,本研究所の上野健爾,小林龍彦,小川束とともに『関孝和全集』の編纂を進めていますが,2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を契機に,現在は近世日本の科学史史料ならびに自然災害史料に関する研究も進めています.地震と津波で被災した歴史資料の中には数学書もありますが,その他にも貴重な史料が多数含まれています.今回はその研究の成果の一部を紹介していただきます.

小林龍彦先生(https://kaken.nii.ac.jp/d/r/10269300.en.html)は東アジア数学史,暦学史が専門で,現在,算額の世界遺産登録を提唱しています.算額とは江戸時代の人々が数学の問題を解いて,それを絵馬のように仕立て神社などに奉納したものです.今日まで多くの算額が残存しています(四日市市にも川島神明社などにあります).一般の人々が数学を趣味として学び,その作品を神社に奉納するという慣習は世界でも日本だけに見られるもので,しかも江戸時代の数学は西洋起源でない数学ですから,極めて珍しいものです.今回は算額が世界遺産にふさわしいことを紹介していただきます.

チラシ
314chirashi20150314.pdf






高校生と社会人のための現代数学・物理学入門講座

高校生と社会人のための現代数学・物理学入門講座

新春特別講義


四日市大学関孝和数学研究所、日本数学協会、 東京大学素粒子物理国際研究センターの共催により

新春特別講義

「次元をめぐって」


を下記のように開催しますのでご案内します。タイトルは仮のもので変更されることがあります。


日時 2015年1月10日(土)  〜11日(日)

場所 東京大学小柴ホール(本郷キャンパス理学部1号館)

(http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_25_j.html)


プログラム


1月10日(土)
13:45〜15:00

 講師:上野健爾(四日市大学関孝和研究所)

 「次元とは何だろう

15:15〜16:45

 講師:徳永浩雄(首都大学東京 大学院理工学研究科)

 「連立1次方程式とベクトル空間の次元


1月11日(日)
10:00〜11:30

 講師:桂 利行(法政大学理工学部経営システム工学科)

 「代数多様体の分類の要

   ------小平次元とはどんな次元?

13:00〜14:30

 講師:清水勇二(国際基督教大学教養学部)

 「超対称性と次元: 超空間とは

14:45〜16:15

 講師:小林富雄(東京大学素粒子物理国際研究センター)

 「物理学における次元


受講料:学生(含む大学生)無料  社会人1000円

参加資格:どなたでも参加できます(部分参加も可)

募集人員:約150名(先着順)

応募方法:往復はがきに住所、氏名、学校名(学生の場合は学年も)または勤務先および電話番号明記の上、

返信はがきに自分のあて先を書いて下記までお送りください。12月25日までに必着のこと。(先着順受付)

〒160-0022
東京都新宿区新宿2-3-16
ライオンズマンション御苑前504号室
四日市大学関孝和数学研究所東京分室
新春特別講義係


問合わせ先:四日市大学関孝和数学研究所東京分室 TEL&Fax 03-5925-8347

(宿泊の世話はできかねますのでご了承ください)

Takebe Conference 2014 が開催されます

 建部賢弘の生誕350年を記念した国際会議が2014年8月25日から30日にかけて,御茶の水女子大学で開催されます.(ホームページ:http://takebe2014.seki-kowa.org/)この会議は韓国・ソウルで開催される国際数学者会議(ICM)のサテライト会議です.

 会議の議長に本研究所副所長・森本光生,(国際/国内)組織委員に本研究所所長・上野健爾,副所長・小川束,研究員・小林龍彦,高田智広が参加するなど,会議開催に関孝和数学研究所は全面的に関与しています.また,四日市大学も日本数学会とともにこの会議を財政的に一部援助し,開催事務を本学社会連携センター・樋口晶子が務めています.

 この国際会議には日本数学史を含む東アジア数学史に関心を持つ海外の著名な研究者も参加し,招待講演を行います.招待講演は英語ですが,日本語で発表可能なショート・コミュニケーションもあります.

本会議に参加するには,会議のホームページ(http://takebe2014.seki-kowa.org/)のRegistrationをクリックしてそこから申し込みます.参加費用は5月31日までに申し込むと早期割引で15,000円,それ以降は20,000円です(この参加費にはProceedingsの費用も含んでいます).関心のある方はこれを機会にぜひお申し込みください.
会議のポスター(poster.pdf

高校生と社会人のための現代数学・物理学入門講座 新春特別講義

高校生と社会人のための現代数学・物理学入門講座
新春特別講義

四日市大学関孝和数学研究所、東京大学素粒子物理国際研究センターと日本数学協会の共催により新春特別講義「幾何の世界」を以下の要領で開催しますのでご案内します。タイトルは仮のもので変更されることがあります。

1月11日(土) 13:30〜15:00
講師:上野健爾(四日市大学関孝和研究所)
「三平方の定理から超弦理論へ」
15:15〜16:45
講師:桂 利行(法政大学理工学部経営システム工学科)
「素粒子は代数幾何の世界を飛ぶか」

1月12日(日) 10:00〜11:30
講師:徳永浩雄(首都大学東京 大学院理工学研究科)
「曲がった空間とやわらかい幾何」
13:00〜14:30
講師:清水勇二(国際基督教大学教養学部)
「リーマン幾何学:テンソルと接続をめぐって」
14:45〜16:15
講師:小林富雄(東京大学素粒子物理国際研究センター)
「素粒子と幾何学」

会場
東京大学小柴ホール(本郷キャンパス理学部1号館)

受講料   学生(含大学生)無料、 社会人1000円

参加資格 どなたでも参加できます。部分参加も可。 (宿泊の世話は出来かねますのでご了承下さい。) 

募集人員  約150名 

応募方法  往復はがきに住所、 氏名、 学校名 (学生の場合は学年も記してく ださい) または勤務先、 および電話番号を明記の上、 返信用はがきに応募者の 宛先を書いて 

〒160-0022 東京都新宿区新宿 2-3-16  ライオンズマンション504
              関孝和数学研究所東京分室 新春特別講義係 

    Fax 03-5925-8347

に 12 月 20 日までに必着のこと。 受講者は原則として先着順に受け付けます。 
返信用はがきは受講票になります。

2013年6月20日『BS歴史館』で関孝和が取り上げられます

2013年6月20日午後8時より放送のBSプレミアム『BS歴史館』にて関孝和を中心に和算が取り上げられます。
番組制作には本研究所の上野健爾、小林龍彦、佐藤賢一の3名が全面的に協力しました。
最新の研究成果を活かし関孝和や和算のことが正しく分かっていただけるよう努力しましたのでどうぞご覧ください。

なお、本番組は6月28日午前8時からも再放送される予定です。

NHK『BS歴史館』ウェブページ(江戸のスーパー日本人1「関孝和 世界水準の“和算”を創り出した男」)

2012年度「3.14...数学文化シンポジウム」を開催しました(報告,小川束)

3月16日から17日にかけて「3.14...数学文化シンポジウム」が開催されました.

今回は「関孝和の数学の世界」として,関孝和に関連する話題を中心に議論が展開されました.

16日は小川束による簡単な関孝和の紹介のあと,まず小林龍彦先生が「近世暦算書の出版と価格」について発表されました.『発微算法』を刊行した本屋嘉兵衛ついては関心の集まるところで,いろいろな議論がありました.また,史料として種々の『書籍目録』から関係書をまとめた詳細な一覧表が配布されました.これは別途『和算研究所紀要』に掲載されるとのことです.続いて長田直樹先生が「関孝和編の写本について」発表されました.関には「◯◯之法」と題された一群の写本群があり,これらの年紀を丹念に調べた上で,年紀のないものをその内容から適当と思われる時期に位置づけるという意欲的な内容でした.歴史家の小林先生と数学者の長田先生の発表を聞いていると,「史料に基づき歴史を再構成」するとはどういうことか,数学史の方法論についてもいろいろ考えさせられました.

17日は前日の長田先生の発表の続きの後,森本光生先生が「『大成算経』における方程式論の基盤」と題して,算木表現の現代表記の様式について発表されました.これまでは「天元の一」を未知数として現代表記されるのが普通でしたが,それでよいのかという話題です.

今回はプログラムに時刻を入れず,自由な雰囲気で進めたので,活発な議論が展開されました.普通は講演時刻が決まっていて,時刻が迫ってくると質問や議論などが十分に尽されないで終わってしまいます.今回のようにプログラムに時刻がないと,十分に議論することはできますが,途中で議論が起こるので,発表される方は最初にイメージしたした通りに発表して行くのがむずかしくなります.

最後になりましたが,専門的な水準のシンポジウムにも関わらず,熱心に聞いてくださった一般の方々に感謝いたします.
(小川束)

2012年度「3.14数学文化シンポジウム」を開催します(2013年3月16・17日)

314chirashi
講演予定者の講演題目は現在のところ次の通りです.
  • 上野健爾:ご挨拶とひとことふたことみこと
  • 小川 束:早わかり関孝和(参加者からのご希望があれば)
  • 小林龍彦:『発微算法』出版のなぞ----江戸時代の刊行数学書籍から見えるウラ事情----
  • 長田直樹:関孝和編の写本について